眼科を受診すると、検査の多いことに驚かれる方もいらっしゃると思いますが、どの検査も非常に大切な検査です。病気の性質を知ったり、治療の方針を立てたり、治療の効果を知るためにとても大切です。
眼圧検査
目の圧(硬さ)を測ります。目の表面に軽く風を当てて測定する方法と、診察室で点眼麻酔をして直接角膜(黒目)に触って測定する方法があります。
眼圧が高ければ緑内障が疑われます。 緑内障の経過をみるだけでなく、他の目の病気の続発症や薬の副作用での眼圧上昇はないかを調べるためにも大切な検査です。
屈折検査
近視や遠視や乱視の度数を調べる検査です。器械で自動的に調べることができます。屈折検査の結果を参考にして視力検査をします。
子供は実際の度数よりも近視が強く測定される傾向があるため、精密な度数を知るために目薬を点眼してから検査することもあります。
お子様の屈折検査で使用します
角膜形状検査
角膜(黒目)のカーブを調べます。コンタクトレンズを合わせるときや白内障の手術前検査で行います。円錐角膜など不規則な乱視の早期診断にも役立ちます。
視力検査
自分の目だけ(裸眼)で測る裸眼視力と、レンズを使って測る矯正視力を測定します。矯正視力が良好でない場合は、目のしくみのどこかに病気が隠れている疑いがあります。また、現在お使いの眼鏡やコンタクトレンズで視力を測り、度数が合っているかどうかを調べることもできます。視力検査には遠くを見る視力と近くを見る視力を測る方法があります。
お子様の視力は、個人差はありますが、3歳頃から測れます。
子供用の視力表を使い、ゲーム感覚で楽しく行うことができます。
早期の視力障害の発見につながる大切な検査です。
細隙灯顕微鏡検査
目の表面や目の奥の状態を立体的に詳細に観察することができます。帯状の光を眼に当てて細かな傷や濁り、炎症を発見することもできます。
当院の診察室ではこの顕微鏡にテレビカメラを装備して必要な目の状態を記録し、お見せしています。 また、付随の眼圧計を用いることにより正確な眼圧も測定できます。
眼底検査
目の奥を診る検査です。
網膜や視神経乳頭といった部分を観察します。
糖尿病、高血圧症などはもちろん、さまざまな目の病気、体の異常をチェックします。
瞳孔(黒目)が小さいと目の奥の状態を観察しにくいこともあり、専用の目薬で黒目を大きくしてから眼底検査をすることがあります。これを散瞳による眼底検査といいます。
散瞳すると4~5時間ぼやけますが、その後自然に戻ります。検査後はまぶしかったりしますので、車での来院を控えるか、または目の状態が落ち着いてから帰られるとよいでしょう。
蛍光眼底造影検査
眼底の写真を腕の静脈から造影剤を数ml注射しながら、撮影します。
目の奥の血管や網膜の状態をより詳細に調べることができます。
糖尿病網膜症や網膜血管閉塞症や、中心性しょう液性脈絡網膜症や黄斑変性症などの病気の状態を把握するのに大切な検査です。
専用の目薬で黒目を大きくしてから検査しますので、検査後はまぶしかったりします。
車での来院を控えるか、または目の状態が落ち着いてから帰られるとよいでしょう。
角膜内皮細胞検査
角膜(黒目)の一番内側の細胞の写真をとり、その形や数を測定します。
角膜内皮は角膜の代謝や透明性の維持に重要な役割を果たしています。
角膜の病気や、白内障などの手術前と手術後、コンタクトレンズを安全に使用するための検査として必要です。
視野検査
見える範囲を調べる検査です。片方の目で前方の一点を見つめて上下左右どのくらいの広さが見えているかを調べます。
主に緑内障、他に脳血管障害や網膜疾患などの診断、病気の進行程度の判断のために行います。自動視野計による方法と視能訓練士が手動で行う方法があります。
アムスラーチャートによる検査
専用のチャート(アムスラーチャート)を用い、眼底網膜の中心部(黄斑)の見え方を調べるための検査です。
物が歪んで見えたり、中心部が暗く見えたり、色が変わって見えたりしないかを検査します。
超音波検査
目の奥の状態が観察できない場合に眼球内の様子を把握する検査です。網膜剥離がないかなどを調べます。
また、眼軸長(がんじくちょう:目の表面から網膜までの距離)を測定することもできます。白内障の術前検査で行います。
涙道通水検査
涙の通り道に通過障害があるかどうかを生理食塩水を通して調べます。
流涙がひどいときや頑固な目やにがあるときは通過障害や感染を疑いますが、通水検査はその診断に役立ちます。
涙液検査
涙の量を測る検査です。ドライアイの診断に有用です。
両眼視検査
同時視、融像、立体視、網膜対応の有無と状態を調べます。斜視のお子様の重要な検査です。
眼球突出度検査
眼球の突出の程度や左右差を調べる検査です。
甲状腺機能亢進症や眼球後方の腫瘤などにより眼球が突出してくることがあります。
色覚検査
色覚異常があるかないか、ある場合には異常の程度を調べることができます。
色覚異常には先天性と網膜や視神経の病気や薬の副作用などで起こる後天性があります。